D.M.ロイドジョンズ
ロイドジョンズ博士は、1927年に召命を受け、医師としての有望な将来を捧げてアベラボンのサンドフィールズ教会の牧師となる。後にキャンベル・モルガンの後任として1939年から1968年まで、ロンドンにあるウエストミンスター・チャペルで牧会した。第二次世界大戦では、ドイツ空軍の激しい空爆の中でも堅実に礼拝を守り続けたという逸話も持つ。博士の膨大な説教は、今も世界中の多くのクリスチャンに多大な影響を与え続けている。主な著書は『説教と説教者』『御霊に満たされることの意味』『リバイバル』『ローマ書講解』(以上、いのちのことば社)
D・M・ロイドジョンズ博士は、聖書講解者としてすでに定評のある学者です。その講解書はキリスト教界において大きな評価を受け、わが国においてもその多くが翻訳・出版されております。
しかしながら、博士は単なる書斎の人ではありません。ロンドンのウェストミンスター教会で長らく牧会し、そこでずっと講解説教をしてこられました。それだけでなく、リバイバルや聖霊のバプテスマについても極めて熱心に求め、自ら聖霊のバプテスマを体験しておられます。
本書は、そのようなたゆまざる研究と体験を踏まえた上で「聖霊のバプテスマ」と「聖霊の賜物」について解説したもので、特に聖霊のバプテスマについては綿密かつ正確な聖書釈義がほどこされています。もともとは説教して語られたものを一冊の書物としてまとめたものです。
実際、聖霊のバプテスマについては、キリスト教界でなかなか一致を見出すことが難しく、各種各様の解釈が行われています。そして、そのことから福音派と聖霊派に分かれたり、聖霊派と呼ばれる人々の間にも細かな点では違いが生じております。
著者は、聖書がどう教えているかということを聖書釈義によって解き明かし、同時にキリスト教の歴史の中から多くの著名な人物を取り上げ、それを立証しています。カルヴァン主義の流れを汲むイギリスの多くの清教徒たちも、アルミニウス主義に立つジョン・ウェスレーも、またローマ・カトリック教会の有力な神学者トマス・アクィナスも皆、聖霊のバプテスマを受けていたと書いています。そして聖霊のバプテスマを受けたら、ローマ・カトリックもプロテスタントも、福音派も聖霊派も、カルヴァン主義もアルミニウス主義もみな一致できると彼は言っております。
また、聖霊のバプテスマの体験は何ものにも勝る体験であって、それ以上のものは天国の栄光だけであるとも言っています。そして、この聖霊のバプテスマの喜びの再現がリバイバルであって、これはどちらも私たち人間が何かをすることによって起こるものではなく、神が御心の時に御心の方法で起こしてくださること、私たちはそれを熱心に求めることはできても、私たちにできることはそれを受けることだけであると教えています。
本書を読めば、聖霊のバプテスマについて聖書がどう教えているのかということがよく分かります。今まである人々が主張していたことが聖書に根拠を持っていないことも分かり、聖霊のバプテスマについて整理できると思います。大切なことは、聖霊のバプテスマについての正しい聖書理解です。これがないと、一致どころか分裂も起こりかねません。
そういう意味において、キリスト教会の真の一致のために、本書の果たす役割は極めて大きいと言わなければなりません。そしてこの時期に出版されることに大きな意味があると思います。主がこの本を用いて、キリスト教界を一致へと導いてくださることを切に祈るものです。
翻訳は非常に優れており、正確に訳されております。私が少し手を加えた点は、神学的用語や日本語の使用性に関わることぐらいで、あとは武藤敬子氏と斎藤登志子氏の訳文のままにしております。こなれた日本語で、とても読みやすいと思います。この本が日本のキリスト教界の大きな祝福となることを願ってやみません。
<監訳者 尾山令仁>
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